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2007年09月15日 安倍晋三問題

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安倍首相の電撃辞任は、ある程度予想できていたもののさすがに所信表明からたった3日で...というのには驚いてしまったtibです。国内外のマスコミは年金問題や閣僚の相次ぐ不祥事から政権運営がどうしようもなくなったから...と報じていますが、私は「アメリカにそっぽ向かれたから」と見ています。

小泉首相の時代から、日本は対米従属の色を極端に濃くしてきました。「対テロ戦争」への支持をいち早く表明し、つじつま合わせの法律をいくつも作っては自衛隊を海外に派遣したり、防衛庁を防衛省に格上げしたり、アメリカの戦費をアメリカの国債を買うというやり方で負担したというのにアメリカに返済能力がないために使い古しのミサイル(←いや、使用済みじゃなくて)で現物支給を迫ってくるので北朝鮮を「敵国扱い」してまで沖縄などに配備させたり...。まったくアメリカの言いなりです。小泉さんから首相の座を受け継いだ安倍さんは、対米従属路線もそのまま引き継ぎました。もともと北朝鮮対策では強硬な態度をとり続けていた人ですから米軍の後ろ盾が無くてはそれまでの政策もうまく行かなくなってしまいます。

ところが世界は北朝鮮の拉致問題よりも核兵器開発疑惑の方を重く見ました。北朝鮮は石油などの天然資源が豊富でないのと、既にアフガニスタンとイラクで米軍が疲弊していることから米軍の攻撃を免れて、いわゆる「取引」を引き出すことができました。拉致問題でしか北朝鮮を攻められない日本はアメリカに「北朝鮮をテロ支援国家指定から外さないで」とお願いしていましたが聞き入れてもらえない情勢になってきました。なんとかアメリカに恩を売る(忠誠を見せる?)方法はないかと安倍首相は考えたのでしょう。それが「なにがなんでもイラクでの米軍支援を延長する」でした。所信表明で「自らの職を賭けて成立させてみせる」と息巻いてみたものの、「参院選での小沢党首のパクりじゃないか」「総理たる者、いついかなる時でも自分の政治生命を賭けて仕事しているものじゃないのか」「米軍支援には政治生命を賭けるといい、年金問題や身内の不祥事にはそうは言えないのか」などと批判を浴びました。なんとか米軍支援を続けないと後ろ盾を無くしてしまうというのに、野党からは理解が得られないし、ねじ伏せるだけの数もなくなってしまった...。というのが今回の辞任劇の基本的な流れだと見ています。今にして思えばあの所信表明は安倍首相の断末魔の叫びにも思えてきます。

...まぁ、それにしてもこの数日間の安倍首相の心労はいかばかりであったろうとお察しします。辞任の翌日から入院したとのことですが、ストレス性の胃腸炎と診断されたとか。前回取り上げた朝青龍とは病名こそ違いますが、やはりこれも首相という重責を負ってのことですから精神疾患の一種と言えるでしょう。ただ、「胃腸炎」という、わかりやすいところに症状が出ただけのことです。

海外メディアからも「安倍総理は『辞め方』で歴史に名を刻むことになるだろう」などと揶揄されていますが、なんとか再起を願いたいものです(←前振りです)。...そう、ご自身が進めておられた「再チャレンジ支援策」で。...辞め方のインパクトがあまりに強かったので、政界復帰にはさらなるバッシングを覚悟しなければならないでしょうが、安倍首相にせよ朝青龍にせよ「再チャレンジ」を目指す人に対して温かい目で見守ってあげられるような世の中になっていってほしいとは私も強く思います。

...そう、前振りがかなり長くなってしまった感じがしますが、私は日本は「再チャレンジを目指す人に対して厳しい」という印象を持っています。身近な例では、実家の母はよくこんな事をいいます。

「あそこのレストラン?辞めといた方がいいよ。なんか『味が落ちた』って聞くよ?」

「味が落ちた」と聞いただけで、自分で確かめもせずに行かなくなりました。しかもその話を聞いたのはもう3年以上前のことです。その話を聞いたその人の時だけたまたま美味しくできなかっただけかも知れないのに、話を聞いてからの3年間に腕を上げて味が良くなっているかも知れないのに。1年に1回くらい偵察に行っても良さそうなものなのに、母にとってはそれはかなりの冒険になるらしいです。

他にも、仕事や家庭で失敗した人に対して、その話題に触れていいものかどうか悩んだりしたこと、ありませんか? その葛藤が相手に伝わっていて「腫れ物に触るような感じ」で接してきているのがバレていて、余計に気まずくなっちゃって...といった経験はありませんか? 「鬱病を始め、精神疾患の患者にはまず普通に接することが大事です」とはよく聞くのですが、「普通」という言葉が曖昧すぎてどうにも対応に困ってしまいます。だって、相手が普通であってくれればこっちも普通に接していられるのに、見るからに普通じゃないんですから。

私の周りには何人か鬱病の人がいます。その中には自分のブログを持っていてtiblogとは比べものにならないくらいのペースで更新していたりします。それを読むとなかなか常人には理解しがたいというか、「こんな事を言う人は放っておけばいい。わざわざ普通を装って接してあげる必要はない。甘やかすからつけあがるんだ」と思ってしまうくらいに深い溝を感じてしまう文章が目白押しです。でも他人はそれで良くてもご家族は本気で悩んでいるのでなんとかしてあげられないものかと考え込んでしまうんですよねぇ...。ご家族は心療内科医から「本人が一番苦しんでいるので受け止めてあげて下さい」と言われているらしいのですが、私から見たら家族の方が苦しんでいます。だって、本人には不満の捌け口があるのに、ご家族にはそれがないんですから。ご家族がどんなに苦しんでいるかをみて、なおも「普通にしていて下さい。決して怒鳴り返したりしないで下さい」とは私には言えません。私にできるのはせいぜい、耐える辛さを聞くことくらいです。...最近ちょっと聞きに行けてないですけど。

「再チャレンジ」...ほら、今総裁戦に出ようとしている福田さんも何年か前に
年金未納の問題をマスコミで叩かれたら官房長官の座を突然辞任した人ですし。
 

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