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ちょっと昔に「究極の選択」というゲーム(?)が流行りましたが、それの新ネタを思いついたので会う人会う人に試しては嫌がられているtibです。題して「あなたが働くならどの社長の下？」

• テレビでは散々文句をぶちまけていたのに証人喚問の場では一転してひたすら発言拒否を繰り返す、ヒューザー・小嶋社長
• 部下は既にいろいろ自供しているのに自分はひたすら知らぬ存ぜぬを繰り返す、ライブドア・堀江元社長
• 最初の記者会見では実に解りやすい本音トークを繰り広げたのに数日後には平身低頭でひたすら「申し訳ありません」を繰り返す、東横イン・西田社長

...なんというかですね、どの社長にも共通して言えるのは「一度信用を失ってしまうとそれまでの言葉もそれ以後の言葉も空虚に響いてしまう」という事でしょうか。しかも、その信用ってとっても簡単に崩れるもので...。

さて、世間的に今一番旬なニュースはオリンピックでしょうけど、オリンピックのネタは一応閉会まで取っておく事にして、最近私が気になっているのは「風刺画に対するイスラム教徒による暴動運動」です。というのも、日本人には「たかがマンガごときでなんであんな暴動に発展するのか理解できない」くらいに温度差が激しい問題だからです。日本のメディアは多分、どこも問題となっている絵を公表していませんよね。欧米より出遅れて公表するタイミングを逸したのか、いち早く自粛したのか...はよく解りませんが。それでもニュースを見ているとイスラム圏の至る所で暴動運動が起きていて、まるでイスラム教徒全員が暴徒化しているかのように思えてしまいます。よく呑気にオリンピックなんかしていられるな、とまで疑ってしまいそうです。

私はこういった報道は「偏っている」と、まず疑ってかかるようにしています。連日自爆テロのニュースが飛び交う時期にイスラエルに入ったのに街は平和そのものでした。反日運動が連日報道されている時期に中国に行っても現地の人は普通に接してくれました。報道は木を見せているだけなので、それだけで森を見た気になってはいけません。というわけで、報道に映し出されないイスラム圏の人々の意見を聞いてみましょう。

最近使い始めたSkypeでは、世界中の人達が話す事ができます。今誰かと話したがっている人を検索する事もできます。そんな人達の中で、イスラム諸国に住んでいる人を検索して、この件について訊いてみることにしました。いきなりこの話題を切り出すのは勇気が要るので、お互いの自己紹介や日本のアニメの話、オリンピックやワールドカップの話などでうち解けた頃を見計らって。

「...ところで、あなたは最近の風刺が問題についてどう思いますか?」
「そういうあなたはどう思ってるんですか!?」

それまで和気あいあいと話していたのに、いきなり声の感じが変わります。老若男女、判で押したように不快感をあらわにしてきます。うーん、前振りが足りなかったか...? 反省しつつ、訊かれている事には答えなきゃいけないと思い、続けます。

「私は、不快に思ったり抗議したくなる気持ちは理解できます。ただ、大勢で石を投げたり火を放ったり...という抗議の仕方には賛成できません。もっと穏やかな方法でも抗議はできるはずです。」

ここからの反応は様々でした。...が、

• 「あなたはその絵を見ていないからそんな事が言えるんだ」...と、捨てぜりふを残して会話を切ってしまう人。...いやいや、私だってその絵くらい見てますって。そんな、「見れば解る」みたいに言われても、見て納得できないから質問してるのに...ってセリフくらい聞いてくれよぉ。
• 「我々はあのマンガに怒っているんだ。怒っているのにどうして穏やかに抗議なんかできると思う?」...と、暴力は感情の素直な表現とでも言いたげな人。うーん、日本人の感覚としては暴力に出る事以上に、暴力は当然と言い切る所に怖さを感じるんですけど。
• 「あなたがテレビで見ている、石を投げたり火を放ったり...をしているのは一部の人だ。国民全員がやっているわけじゃない。皆生活を抱えているからね。私は抗議行動に参加してはいないが、心情的には抗議行動に出るのは当然理解できる。」...うーん、あれは一部の人だ、と言われた時はイスラム圏にも穏健派はいるんだと期待したのに、心情的には理解できるんですか。あなたも時間さえあれば参加したってことですか。
• 「私達だってやりたくてやってるワケじゃないんです。あんな事をされて黙っていられないだけなんです。そもそも欧米のマスコミがあんな事をしなければお互いハッピーでいられたのに、私達の抗議行動だけを悪くいうのはフェアじゃないと思いませんか?」...仰りたい事はとってもよく解ります。でも私がお訊きしたいのは、正当防衛の話ではなく過剰防衛の話なんですけど...。
• 「あなたは私達の世界の事をよくご存じないようですね。いいですか? そもそもコーランには...」...確かに私はコーランをじっくり読んだ事はありません。解説して頂けるならじっくりお聞かせ頂きたいとも思います。でもそのありがたそうな話、今日中に終わりますか?

うーん、「イスラム教徒だって血の気の多い人ばかりじゃない」と信じたくて、ここ何日かいろんな人にアタックしてみたのに、ヨーロッパ在住の人ならともかく、イスラム圏から出た経験のない人にターゲットを絞る限り、期待していたような人はまだ現れてくれていません。むしろ、「私の話も聞いてよ」と叫びたくなるくらい主張の強い方ばかりです。強いていうなら、「私そういうの興味ないの。別の話題にしない?」と避ける人もまだ1人も出てきていません。日本人なら多分このパターンが多いと思うのに、私が今までに話したイスラムの人達は逃げずに正面から向き合ってくれました。そこはいい所なんでしょう。もう少しだけ「穏やかなイスラム教徒探し」を続けてみたいと思います。