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2006年02月21日 旅の道連れの果てに

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前回のtiblogのような取材をしていてもそうなんですけど、最近ヒマがあると「何が人の心を開くのか、何が人の心を閉ざすのか」という事についていろいろ考え込んでしまうtibです。もちろん「これさえやれば必ず...」というものはないんでしょうし、コミュニケーションのテクニックとして科学的に分析するつもりもありませんが、ふと振り返れば、なんだか私はその辺を随分疎かにしてきていたなぁ...と。

大分前の話になりますが、以前この場で「友人が本を書いているので誰かモニターをしてくれませんか?」というお願いをしました。殊勝にも名乗りを挙げて下さった方がいたので、モニターして頂きました。何となく感じていた不安は現実なんだと言わんばかりの、目の覚めるようなご指摘を頂いたおかげで「まだまだ世に出せるようなレベルではない」と自覚し、もう一度徹底的に見直す事ができました。モニターしてもらって良かったと本当に感謝しています。...あれから約1年経ち、やっと本は完成・出版にこぎ着けました。

先日、その本の出版記念パーティがあったので、行ってきました。まぁ、パーティといっても、その友人の旅仲間...というか、その本の中で散々ネタにされた人達がほとんどで、純粋な意味での読者は数えるほどしかいませんでしたけどね。大体どの人も本の中に登場しているからか、初対面の人達ばかりなのに初めてのような気がしません。それも、MsFCのオフ会のように「昔からの知り合いのような」感じではなく、「お互い芸能人を見るような」感じです。席の近い人同士で自己紹介をしあっていると「あぁ、あなたが!!」「お噂はいろいろ聞いてます〜」があちこちから聞こえてきます。...えぇ、私も随分言われました。「あー、あなたがそうだったんですかー。本読んでて『どんな人なんだろう』ってず〜っと思ってたんですよぉ」「前々から話には聞かされていて、一度お会いしたいと思ってました!!」...どんな話を吹聴されていたのか問いつめたい気分で一杯なのをグッとこらえて「そうなんですかぁ、こんななんですよ。よろしく。」と微笑んで答えます。目まで笑っていたかどうかは自信ありません。

お互いの性格はよく解っていなくても、年齢や仕事がバラバラでも、旅仲間という1点ではつながっているので話題には事欠きません。ほとんど安宿のロビーの雰囲気です。お互いのこれまでの旅のエピソードだけで話は全然尽きません(いや、もちろん他の話もしてますけどね)。それこそMsFCのオフ会を彷彿とさせるような勢いで、気がつけばパーティは6時間を過ぎていました。MsFCのオフ会と違ったのは、みんな積極的に席を移動してなるべく全員と話ができるようにしていた事(これは参加者数にも依りますけどね)と、お酒で異常なくらいテンションが上がってる人が何人かいたことでしょうか。...まぁ、お酒がなくてもテンションの高い人だったような気もしますし、MsFCのオフ会でお酒を呑む人は呑んでも呑んでも全然酔っぱらわないくらいお強いですし。酔っていようがいまいが話が弾んでいる事には変わりないので、どっちがいいという話では全然ないんですけど。

...友人が「本を書くから文章のチェックをして」と頼んできた時、私はせいぜい3〜4ヶ月くらいで終わるものだと思っていました。プロなら1〜2週間で書き上げる分量です。素人なら多くてもその10倍程度だろう、と。実際は私の予想をはるかに上回り、実に2年もかかりました。直接会って話せばまだラクなんでしょうけど、遠くに住んでいるのと時間を合わせるのが大変なのとで、結局電話とメールだけでやりとりしていました。原稿のファイルがメールで送られてきて、それに私が手直しして送り返す...これが連日、酷い時は1日2〜3往復してました。決して読書家とは言えない私にとって、こんなに同じ文章を何度も何度も読み込んだのは初めてです。途中、かなりきつい事も言いました。校正どころか箸にも棒にもかからないような文章に絶句した事もありました。「例えば私だったらこんな感じで書くと思うんだけどね」と書いた数ページ分の走り書きがそのまま載せられてしまった事もありました(爆)。それでも途中で投げ出さずに最後まで書き上げてくれたのは、彼女が旅の中で人間的に成長した部分、旅に育ててもらった事への感謝だと思います。なので、その「旅に育てられている」という部分を感じ取ってもらいたくて、わざと前半は拙い文章で、読み進めて行くに連れて少しずつまともな文章で...という書き方をしています。...いや、させています。

そんな苦労の甲斐あってか、パーティでは「何百ページもあるなんて感じさせないくらい読みやすい」「一気に読んじゃった」「私はその国に行っていないのにまるで一緒に旅しているような感じ」「早く第2段も読みたい」...と、好感触な感想を頂きました。私の本ではないのに(一部私の文章だけど)、自分の事のように嬉しいです。この感想が彼女の知り合いではない、全く知らない読者からも寄せられるようになれば本物なのでしょう。お陰様で今のところその出版社で売り上げ部数2位だそうです。まったくの素人が初めて書いた本としては異例の売れ行きだそうです。あろう事か、既に増刷の話も持ち上がっていて、私も第2版用の誤字脱字チェックに入ったら...いやはや、見つかる見つかる、誤字脱字。なんでこれで私や出版社の校正担当者がOKを出したのか解らないくらい。恥ずかしいったらありゃしない。でも、先日のパーティではそんな事を指摘する人は一人もいませんでした。遠慮していたのか、実は読んでいないのか...? いやいや、ここはひとつ、「文章に勢いがあるために気にならなかった」と解釈する事にしましょう。

実は、彼女とは旅先で知り合って2日半一緒に動いただけ。
それがまさかこんなに長く深いつきあいになるなんて、人生どこで何があるか解りませんね。
 

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これまでに寄せられたコメント

tibさん 出版おめでとうございます
わぁ 読みたくなるじゃないですかぁ〜
旅好きの一人として(って最近行けてないけど…)興味深々ですぅ
旅先で出会った方と深いお付き合いに至るのってすごくよく分ります
同じ目的を持った者同志の絆みたいなものかしらね(^^)

それにしても、tibさんて ここの管理人だけじゃないのに本当にマメで熱心な方ですよねぇ
尊敬してしまいます うん

By むくむく : 2006年02月21日 16:42

私もいぜん、次男の保育園で同じクラスだったお友達のお母さんが
書いた旅行記を読んだことがあります。
(いろいろ旅行記を書いてる方だったのです…すごいと思う。
今は子連れで旅行しているかも…???)

「トルコ一人旅」だったと思いますが すごい面白かった!

管理人さんのお友達の書いた本も 面白そうですね…
ぜひ 読んで見たいです♪

誰が読んでも面白いと思えるような上手な文章の書ける方って
憧れちゃいますね〜〜〜(^^)

By きむ*にょんにょん : 2006年02月22日 20:38

なんでも、明日の朝にはラジオ番組で紹介されるらしいですよ。関西ローカルの番組なので私も聞く事はできませんが。「生放送なので明日の朝直接ラジオ局に行く。本番5分前にスタジオ入りするまで事前の打ち合わせなんて一切ナシなのでちゃんとしゃべれるか心配」って言ってました。

...そうですよね、ここでこうネタ振りしちゃったら読みたくもなるでしょ?
でもちょっとお教えできません。なんでって、迂闊にも私が「本名で」出てるからなんです。これがハンドルネームのままだったらこのサイトで大々的に宣伝しても良かったんですが...。

By tib : 2006年02月28日 15:54

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