2004年11月20日 讃岐うどんで不正表示
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あんまり言い訳はしたくないんですが、仕事が急に増えてなかなかサイトの更新ができなくなっているtibです。もうはなまるマーケットを見る時間もとれないまま2週間も経っていて、いつ見れるんだろう? とちょっと心配しています。
最近のニュースで気になっているのは、まぁ、ブッシュ再選に端を発した小さな動きが世界中でいろいろ見受けられるのはとっても気になっているんですが、今日書いておきたいのは「讃岐うどん不正表示事件で県農協や製粉業者に家宅捜索が入った」というニュースです。ポイントはこんな感じです。
香川県が開発した新品種小麦「さぬきの夢2000」に、1割強割安なオーストラリア産の小麦を約80%混ぜた小麦粉を「さぬきの夢2000を100%使用」と表示して出荷していた。
この報道が正しいのなら、「割安な粉を混ぜて荒稼ぎしようとしてたんだろう、なんてアコギな連中だ」「食べ物の表示を偽るなんて消費者を冒涜した許せない行為。もう讃岐うどんなんて食べたくない」という事になるのですが、今回敢えて私は弁護側に回ろうと思っています。
ご存じのように私は今年の夏、讃岐うどん食べまくりツアーを敢行しました。ただ食べるだけではつまらないので、時間の許す限りそのお店のご主人にいろいろ話を伺いながら回っていました。そこで「讃岐の夢2000」の話が出てきました。
「県が開発した粉という事で地域振興の意味もあって『さぬきの夢2000』を積極的に使ってきた。でもあれは香りはいいがまとまりが悪い。麺を作るにも茹でるにもかなりの熟練が必要で、通販に出したところで素人さんが美味しく茹でられるものではないし、香川県内の普通レベルの店では麺打ちさえままならないだろう。あれ単品ではうどん用の粉としては失格だ。あんまり手間がかかるので、うちでは去年『さぬきの夢2000 100%使用』を謳った商品は通販用のメニューから外してしまった。今は通販用は『さぬきの夢2000』に、香川県産の別の品種を半々に混ぜて使っている。店で出すのは、メニューにも依るが100%使用の麺も使っている。」
この話を伺った時は、例え県が鳴り物入りで開発した粉でもダメ出しをする、状況に応じて粉を使い分ける職人の心意気に感動していました。...さて、先に挙げた不正表示事件の問題は何でしょう?
なぜ「さぬきの夢2000 20%使用」と書けなかったのでしょう? 単に「20%」と書くのでなく「なぜ20%なのか」という説明もしっかり書いていたら、それでもニセモノかも知れない100%を求めたでしょうか。今回の事件は、私達消費者が「なんでも100%がいいとは限らない」という事を知らない事が原因だと思えてなりません。賞味期限切れの牛乳を再出荷したとか、輸入大豆の山に一粒国産の大豆を入れて「国産大豆使用の豆腐」と謳うのとはワケが違う、と思えてなりません。