2004年04月26日 南北統一は夢?
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急激な気候の変化に対応しきれず、大風邪引いてしまったtibです。いやもう咳がとまらないのなんの、って...。
GWにどこにも行けない悔しさを少しでも紛らそうと、海外ニュースを見ていたら(紛れるのか?)「キプロスで南北統一を図る国民投票」という記事が目に止まりました。
地中海に浮かぶ神話の島国・キプロスは現在首都・ニコシアを境に南北に分断されています(1974年からだったかな?)。しかも分断の際に北側がトルコ系住民、南側をギリシャ系住民という風にキッチリ分けてしまったので、「分断はされていても同じ民族同士」という韓国・北朝鮮よりも根の深い問題になってしまっています。
私は数年前にキプロスに行った事があります。いろんな制約があって北側に行く事は残念ながらできなかったのですが、南側で道行く人を捕まえて「あなたはキプロスが南北統一した方がいいと思いますか?」という質問を繰り返しました。返ってきた答えは100%「No」でした。かつて北側に住んでいた人でさえ、です。イスラエルでさえユダヤ人とアラブ人が仲良く暮らす街があったというのに、違う人種が完全に分断されるとこうも敵対心を持つものでしょうか。
それでも国レベルでは数年に1回南北統一の話が上がっては消え、上がっては消えしていました。それが今回、「キプロス(南側)のEU加盟」を前にしてにわかに南北統一が現実味を帯びてきていました。国民投票は北側と南側で同じ日に別々に行われ、両方で過半数の賛成がないとダメ、というルールでした。結果は「北側:賛成65%、南側:賛成24%」で、否決されました。私は北側へは行けなかったので、北側で賛成派が多かったのにも驚きましたが、南側で24%も賛成票が入ったというのにはさらに驚きました。
今後、とりあえず南側だけ先行してEUに加盟して、最初はいろいろ混乱もあるでしょうから、しばらく経って落ち着いてきた頃もう一度国民投票すれば今度は違う結果が出るかも知れませんね。そうなれば、紛争の巻き添えになって命を落とした人々の写真がデカデカと貼られた、ニコシアの街を分断するバリケードも撤去されて自由に行き来できるようになる日も近いかも知れません。