2004年12月25日 手垢にまみれた「パンドラの箱」
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知り合いのパン屋で買ったパンを食べていたら、中から髪の毛が出てきてビックリしているtibです。そのことを告げたらなんて言われたと思います? 「ゴメンねぇ。気を付けてはいるんだけどねぇ、でも見つけたのがtibでよかった...」。...確かに他のお客さんに当たるよりはマシなんでしょうけど、他に言い方ってものが...。
さて、先日のつぶやきに書いていた「風味堂」のライブに行ってきました。この日のライブを見るためだけに広島から出てきた(しかも翌日の飛行機で広島へ帰っていきました)旅仲間"F"と一緒に会場へ向かい、"F"の元同僚"N"さんと合流しました。この"N"さん、私とは初対面なのですが、"F"よりも筋金入りの風味堂ファンです。元同僚というからには広島で働いていたはずなのに、風味堂の追っかけをしたいがために仕事を辞めて東京に出てきたというのです。で、NEET歴2ヶ月。このご時世になんでそんな事ができるのか私には信じられません。
で、気になるライブそのものなんですが、ハッキリ言って私には不満が残るものでした。...いや、別にオールスタンディングだったから足が痛くなって...とかではなく。
- 私の目の前に190cmはあろうかという大きな人が立っていて、あまりステージが見えなかったんです。客席最前列の真ん中にも「力士?」と思うような大きな人(風味堂の関係者らしいです)が、これまた大きな帽子をかぶったままでいて、邪魔な事、邪魔な事...。
- 演奏自体が期待していたほどには良くありませんでした。なんというか、3人の演奏がバラバラだった感じです。でも周りの観客は「うゎ、アイツら、半端ねぇウメーぜ」と繰り返し言っていたので、私の期待が高すぎただけかも知れません。
- ライブでは来月発売予定の新曲も演奏していたのですが、これが「本当にこの歌で売れようと思ってるの?」と問いたくなるような曲だったんです。...いや、変な曲というのではなくて、毒気が薄いというか妙に普通っぽいんです。インディーズ時代のCDやメジャーデビュー曲を聴いて、スピード感のある曲と社会をキツく風刺した詩こそが彼等の魅力だと思っていたので、もう少しこの路線で押してくることを期待していたんです。
前述の"N"さんに訊いてみると、「3つの個性がぶつかり合うさま」というのを強調すべく、髪型を変えるよう事務所から指示があるんだそうです。ルックスに対して指示があるくらいですから曲の演奏、選曲、作曲に至るまでいろいろ細かい指示をされている事でしょう。もしかしたら彼等の今後の作品は、事務所が事前に行ったマーケティングリサーチの結果に沿うようなもの以外、全てお蔵入りになってしまうのかも知れません。そう考えると、ネットをフル活用してインディーズでもそこそこのセールスを挙げられるようになった今では、ムリに「メジャーデビュー」という道を選ばなくてもいいんじゃないかな? と思ってしまいました。思うような身動きが取れなくなるほどいろんな人の手垢にまみれてしまう前に、スタッフとよく話し合って自分たちのやりたい曲の方向性と、赤字にならない程度には売れてくれる曲をという考え方との妥協点を見つける事ができなかったら、このバンドは1年持たないかも...と危惧を抱かずにはいられない、別の意味で緊張感のあるライブでした。