2005年08月27日 ワカランベェは雲の中
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選挙についてメディアの取り上げ方があまりに視聴率取りたさの演出じみているのか、日本の政治家があまりにワイドショー的に政治をしているのか、まだ公示前だというのに早くもしらけ気味のtibです。...いや、もちろん投票はしますけどね。私の興味はもう「投票率は選挙特番の視聴率(各局の合計)を越えられるか」とか、「当選確実の出るタイミングは各局によってどれだけバラつきが出てくるか」なんてところに移っています。
さて、皆さんご存じとは思いますが、私は旅が大好きです。特に現地に住んでいる人達から得る情報で動く旅が好きです。観光客が行かなさそうな穴場を教えてもらったり、連れて行ってもらったり、おごってもらったり、泊めてもらったり...。こう書くと「なんだ、知人にたかっているだけじゃないか」と思われるかも知れませんがとんでもない。たまたま街で知り合った赤の他人にだって...って、そうじゃなくって。誰かが海外から来た時にはちゃんと、私が海外でいろんな方にお世話していただいているようなことをして差し上げてますよ。
とはいえ、突然来られたりしても都合が合わなかったりすることも珍しくないので、保険として仲間内で協定を結んでいるとでも言いましょうか、「今度こういう人が来るんだけどそっちで面倒見てあげて」と言い合えるような人が何人かいるんです。
そんな仲間の1人から先々週メールが来ました。
8/24〜28の予定でオランダ人が1人泊まりに来るんだけど、27日だけどうしても都合が付かないので、この日だけtibに相手してもらっていい?
なるほど、土曜1日くらいなら私としても問題ありません。すぐにOKのメールを出しました。さて、どこに連れて行こう? 銀座とかお台場といった定番な所は27日までに友人が連れて行っちゃうでしょうし、秋葉原は日本の先端のサブカルチャーを見せるにはいいところだけど私には案内できないし、あぁ、そういえばちょうど浅草のサンバカーニバルの日じゃないか...なんて事を考えていたこの間の日曜、私の所に友人がやってきました。アメリカ人とカナダ人を連れて。
これ、昔私がアメリカで仕事してた時の知人なんだ。2週間位の予定で日本に出張してきたんだって。で、出来たらtibに今週末どこか連れて行ってもらえないかと思って。
えーと、その日は先約があるんですけど...と言おうとしたものの、口をついて出てきた言葉は「どこか行きたいところはあるの?」でした。そこで既にオランダ人が見ているような所を言ってきたら「あーゴメンねー、その日はそこへは連れていけないや」と断るつもりだったのです。アコギな人です、私って。ところが、予想外にもそのアメリカ人は、
富士山に登ってみたい
と言ってきました。...ほう、そう来たか。まぁ、浅草のサンバカーニバルは日本固有の文化じゃないし、相手はブラジル人でもないし、それじゃオランダ人も入れて4人で富士山に行っちゃおうか、という方向に話は進んでいってしまいました。
tib註:ここから先、オランダ人・アメリカ人・カナダ人を、それぞれ(蘭)・(米)・(加)と書きます。
(蘭)には「27日、あんたを富士山に連れて行くから」とメールで連絡して、いつどこで待ち合わせるかについて話し合います。このとき(蘭)は中国にいたのですが、最近は世界中どこにいてもメールで連絡がつけられるのでとても便利です。(蘭)は「日本滞在はほんの数日しかないので、東京をもっと見たい。富士山行きに乗るかどうかは金曜まで考えさせて」と答えを保留してきましたが、友人がかなりのハードスケジュールで都内を見せて回ったらしく「東京はもういい。富士山行きに乗る」と木曜に言ってきました。
日本人の私を入れて「和・加・蘭・米」の4人は一路富士山を目指しました(そろそろタイトルの意味が分かってきました?)。台風が過ぎ去って空は晴れ渡り、予想最高気温は33度と言われていたのに、富士山へと向かうにつれてだんだん曇ってきます。御殿場で高速を降りてみると、見事に富士山だけが厚い雲に覆われているではありませんか。(加)が「それでもせっかくココまで来たんだからとりあえず五合目までは行ってみよう」というので行ってみると...何にも見えません。五合目まで来ているのに富士山や麓の街はおろか、30m先さえ見えません。「深い霧」所の騒ぎではありません。完全に雲の中です。「分け入っても分け入っても(足下の火山灰以外)真っ白い山」という感じです。それでも人間は不思議なもので、こういう状況にハマると妙なスイッチが働くのか、「とにかく登ろう」という気になってしまうみたいです。4ヶ国共通で。特に(米)と(蘭)は平地を歩いているのか? と思う位のペースでズンズンと進んでいきます。それに引き換え私ときたら、体調が万全でなかったとかずっと運転していたからとか、どんな言い訳を並べても足りない位早く息が上がり、筑波の自転車耐久レースの炎天下よりもダラダラと汗をかき、とうとう途中で引き返す事にしてしまいました。
(加)・(蘭)・(米)の3人はさすがに頂上までは行きませんでしたが、1時間半ほど登って降りてきました。その後、山中湖の方まで回り込んで、みんなでほうとうを食べて帰ってきました。多分もうないと思いますが、またいつか「ワカランベェ」が集まる時には「青木ヶ原樹海探検+頂上でご来光」にも挑戦したいものです。
という点については今も興味がありますよ。「今どれだけ耳障りのいい言葉を並べられるか」
と同じ位、「言いっぱなしにしていないか」という点は大事だと思っています。