2006年03月09日 ワンダーの種
Trackback URL : [ http://ms.flowercircle.org/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/231 ] [コメント (2)] [トラックバック (0)]
以前「これはちょっとおかしいんじゃないの?」と思って、とある所に投書しました。月日が経って、投書をした事も不満を感じていた事も忘れた今頃になってその文章が丸ごと掲載されてビックリしているtibです。...いやもう、なにがビックリしたって、その文章を書いたのが私だということにまっったく気づかず「言いたい事は的を射ているし分かりやすい文章だけど、それにしてもキツい文章だなぁ。この人もっと穏やかに書けないのかな?」と思ってたんです...。伝えたい事を、確実に伝えるという事以上に、どう伝わっているかを気にすることって大事だなぁ、と反省したのでした。
さて、先週末に私は「Wonder Seed 2006」という、東京都が運営する若手作家向けの美術公募展に行ってきました。先日のパーティで知り合った方が出展されているとの事で、普段は生活のどこにも「美術」なんてないのに。
展示できるのは1人1点のみ。即売会も兼ねていて、展示作品はその場で買う事もできます。200近い新進気鋭のアーティスト達の作品がズラリ展示されています。ほとんどは絵ですが、中には布や皮を染めてつなぎ合わせたような物や、写真を使った作品もありました。「絵」と言ってもただキャンバスの上に絵の具を乗せていくだけではなく、蝋で何層にも重ねて立体的に見せたもの、雑誌の切り抜きを貼り付けて絵にしたもの、白い絵の具をケーキのデコレーションみたいに絞ってこれでもかといわんばかりに埋め尽くしたもの...、いろいろありました。名前によるブランドイメージが売れ行きを大きく左右しかねない芸術作品です。普段なかなか日の目を見る事のない無名アーティストに名前と作品を売るチャンスを用意してあげようとは、東京都もやるもんです。半月ある開催期間のうち、私が行ったのは最終日前日だったんですが、売約済みの印がついているのは2割強といったところでしょうか。やはり現実は厳しいですね。これからを目指す無名アーティストは発表の機会が与えられたからといってもそうそう売れるものじゃないみたいです。
それにしても、「1人1点しか展示できない」という制約の中でよくもまぁあんな個性的な作品が集まったものです。大衆に迎合しない、アーティストとしてのポリシーを感じます。...言い換えれば解りづらい。っていうか、さっっぱり解らん。売れないのも当然、とさえ思ってしまうくらい理解できません。私の美術センスが足りないのか、私の美術センスが現代に追いつけていないのか、それともこのアーティスト達が揃いも揃って中学の美術部か、小学の工作か、幼稚園のお絵かきの延長でしかないのか、本当にさっぱりなのです。作品自体もタイトルも。...ねぇねぇ、あなた達何か表現したい物があってやってるの? 大衆迎合を勧めるつもりはないけど「伝えたい事を確実に伝える事、どう伝わっているかを気にする事」は大事だと思うなぁ。
そんな中、友人の作品には「売約済み」のマークがついていました。あぁよかった。さすがに誰がいくらで買ったのかは解らないけど、ふーん、見ている人はちゃんと見てるのね。...いや、この中ではと〜っても解りやすい部類だったからなんでしょうね。
トラックバック
これまでに寄せられたコメント
管理人さんの何時もながらの素晴らしい描写。
まさに同じ様な油絵を見ました。大分前の事ですが。
>、白い絵の具をケーキのデコレーションみたいに絞ってこれでもかといわんばかりに埋め尽くしたもの
私が習っている油絵教室の先生が都美術館の「アンデパンダン展」に出展されたので鑑賞した折
100号キャンバス二枚に白い油絵の具ベッタリ、1本の赤い線が、一枚は下の方にもう一枚は縦に引いてあるだけ。もう びっくり仰天これが絵なの!!
先生もびっくり、こんな絵が出るとは思わなかった自己満足でしょ。との事でした。因みに先生の絵は青いビロードのドレスを着た人物画で本物の布と間違えるほど素晴らしかったです。
By シンブル : 2006年03月12日 22:04
私自身は、写実派よりも印象派の方が好きなんです。表現の自由度が高くて。でもあれは「なんか自由をはき違えてない?」と思いたくなるような物が多かったんですね。後日、出店していた友人と話したら、「私でも思わず首をかしげたくなるような物がたくさんあった。都の税金で展示してるんだからもう少し理解してもらえるような作品出さないと展示会自体が続いていってくれないよね。」って危惧していました。
By tib : 2006年03月14日 00:32