2005年12月17日 法律より大事な物
Trackback URL : [ http://ms.flowercircle.org/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/213 ] [コメント (0)] [トラックバック (0)]
最近(といってももう数ヶ月に渡っているんですが)、よその掲示板でマナーをわきまえない人にどう対処すればいいやらと思案しているtibです。これまで私を含め多くの人が「それはマナー違反だよ」「あなたの言い分はつじつまが合ってないよ」「大人なんだからもうちょっとちゃんとしようよ」という事を指摘し続けているにも関わらず、「表現の自由は憲法で保障されている」などと勝手な理屈を繰り広げては注意された事にだけ強烈な不快感を示して、注意されている事についてはちっとも考えてくれません。私はそういう人をこれまで何人も見てきましたが、その中でもトップレベルの傍若無人さです。...って、こんな事を書くとメイン掲示板あたりにその人が文句を書き込んできたりして。それならそれで私は削除するだけですが。
さて、先日の耐震強度偽装問題に関する証人喚問をテレビで見た方も多いと思います。ある程度のミスは認めるものの、根本的な責任については否定するもしくははぐらかすという、いかにも証人喚問らしい「茶番さ」が目立った感じがしました。みなさんはどのように感じましたか?
偽装問題に関しては以前もココで書きましたが、その後も関連する企業のサイトをチェックしていると、共通した主張が感じられます。それは、
「しょうがないじゃないか。法律がザルなんだから。
俺達が不正を見抜けないのも自らを正せないのも、
法律でそこまで厳密に規定されていないからなんだ。」
確かに今の法律はザル法と言われても仕方ない所があるかも知れません。ただ「だから手抜きの仕事をしていいんだ」という、とにかく低い方へ低い方へと流れたがる人達をいちいち囲い込むように法律を改正していくのでは対応が後手に回りますし、行政のムダというものです。法律の条文にどんな漏れがあろうが「この業界のプロとして他社からお手本にされるくらいの仕事をしよう」という気概はないのでしょうか。こういう高いプライドは「利益優先」の一言で日本から絶滅してしまったのでしょうか。
こういう話題は耐震偽装の問題にとどまりません。アメリカ産牛肉の輸入再開にしても、「輸入は再開する。品質は国が保証してくれているので大丈夫だ」と、まるで自分の所ではなんの検査もしないような、「万が一何かあってもそれは国の責任なんです、私達はちっとも悪くないんです。だって私達は国のお墨付きを信じていたんだから」とでも言わんばかりの態度には疑問を感じずにいられません。
イラク問題にしても、ついにブッシュ大統領が、戦争を始める根拠にしていた大量破壊兵器の情報は間違いだったと認めたというのに、「それでも戦争は正しかった。だってフセインをやっつけたんだから」という開き直りを見せれば、阿倍官房長官は「実際にイラクが大量破壊兵器を使った事実がある中で、彼らが大量破壊兵器を持っていると(米政府が)考える合理的な理由があった。イラク攻撃への日本の支持について言えば合理的な判断だったと思う。武力行使も、安保理決議に基づき行われたもので国連憲章に合致したものだ」と、まるで「証拠が結果的に間違いだったとしても、当時アメリカがそう思っちゃったんだからそれを支持するのは妥当じゃないか」自分で考える事を放棄した物言いです。...その「証拠」というのは、国連の場で「5分と経たずに」ニセモノだとバレたお粗末な偽造品なのに。素人が数分で見抜けたものを強引に証拠だと言い張って始めた戦争に合理的な判断も何もあったもんじゃないのに。本当に日本の政府は自分の頭で考えて「これはいい、これはダメ」と判断しているんでしょうか?
法律は大事です。でもそこに穴があったからって積極的にかいくぐっていって、他人から指摘されたらその法律を盾に開き直るのでは程度が低いというものです。法律は必要最低限の事だけ書いて、あとは個人の良識に任せられる(その位高い良識をみんなが持つ)ようでありたいと思います。国も企業も(そして私も)、法に縛られるのでなく「自らを律する」という事を考えてほしいです。