2006年08月17日 小泉劇場にアンコールを
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いつになくテレビで高校野球を見ているtibです。別に母校が出ているわけでもないのに。別に知り合いが出ているわけでもないのに。...あ、でも、知り合いの知り合いなら監督で出てました。早々に負けちゃいましたけどね。
さて、東北グダグダツアーの続きを書こうと思ったものの、あまりにグダグダ過ぎて話が広がりそうにないので別の話題に移ろうかと思っています。...ちなみに例の宿を出てから、金華山とサン・ファン館に行ってきました。サン・ファン館では期間限定で、展示している帆船のマストに登らせてもらえるそうで、限定ネタに目がない私としては心揺れまくりでしたが、あまり時間に余裕がなかったのと、小学生が何人も並んでいたので泣く泣く譲る事にしました。右の写真に人が登っているのが見えますか? (右の写真をクリックするとちょっと大きい画像が見れます)
えーと、話がそれてしまいましたね。久しぶりに新聞ネタで行こうと思ってるんでした。...先日小泉首相が、終戦の日に靖国神社を参拝しましたね。皆さんはあれをどう思いますか? 私は参拝その物よりも、その後の首相の会見が興味深かったです。特に「過去5年間の批判を考えると大方3点に要約される」というあたり。いわく、
- 中国・韓国が嫌がるような事をしちゃいかん、という人達がいる
→ 意見の違いがあるのは当たり前の事。それをどう解決していくかを探るのが政治家であり、私は常に話し合いましょうと言っている。話し合いを拒否しているのは中国・韓国の方だ。 - A級戦犯が合祀されているから行っちゃいかん、という人達がいる
→ A級戦犯という、特定の個人にお参りしているんじゃない。 - 政教分離の原則に反するから行っちゃいかん、という人達がいる
→ 個人の信仰の自由は憲法で保障されている。あくまで小泉純一郎という個人が参拝している。
これらの説明をメディアやネットでは「任期切れ間近なので言いたい放題」「自分勝手な解釈に基づく暴論」などと叩かれていますが、個人的にはとっても解りやすい理屈で、筋が通っているように感じました。むしろ、マスコミがただ首相を叩きたいだけという感じです。実際、中国に住んでいる友人に話を聞くと、街の人々は至って冷静で「たかだか1政治家のする事」と、あまり関心はないそうです。政治の関係はどうあれ、ビジネスではいい商売相手だからという所で割り切っているみたいです。国内でもネット上のアンケートでは賛成派が多いらしく、「世論とマスコミの主張にズレがあるようだ」とか、「マスコミは自分たちに都合のいいところしか取り上げていない」といった論調もあります。
...とまぁ、首相寄りの書き方をしていますが、私は決して今回の首相の靖国参拝に手放しで賛成しているわけではありません。中国や韓国との、経済的なつながりでは大きな影響はないかも知れませんが、政治的にはギクシャクしたままです。総理は「粘り強く丁寧に説明を続けていくしかない」とこれまで答弁を繰り返してきましたが、任期切れは迫ってきました。このままでは「立つ鳥あとを濁さず」というわけにはいかなくなってしまいます。
先日の靖国参拝をマスコミは「小泉劇場最終章」と報じていますがそうでしょうか? もう小泉首相には何も打つ手はないのでしょうか? 例えば、世界中のありとあらゆる戦争の跡地を回って、行く先々で「不戦の誓い」をたててくるというのはどうでしょう? 今回靖国神社に参拝したようなことを、中国の南京虐殺記念館や、韓国の朝鮮総督府や、ドイツのアウシュビッツ博物館や、アメリカのパールハーバーなどでもしてくるんです。こういう事を書くと、「中国がますますつけあがって来るじゃないか」と反論してくる人もいるでしょうが、別に謝罪に行くんじゃないんですから。あくまで不戦の誓いのために行くんですから。世界の平和を祈りたいなら靖国だけにこだわる必要はないでしょ? 日本で誓えるのに海外で同じ事を言えないはずはありませんよね? 南京虐殺記念館はその意味でうってつけの場所だと思います。
tiblogでは書いていませんでしたが、私は去年の暮れに上海に行ったついでに南京に行ってきました。上海の人達に南京に行ってきた事を話すと「私達の国の歴史に向き合ってくれてありがとう」と感謝されました。「お前は中国の朋友だ」なんて、南京へ行く前とは全く違う扱いです。私はそこで日本人を代表して謝罪したわけでもないのに。
また、上海の学生が興味深い話をしてくれました。
「日本人は、『中国人はメンツにこだわる』と考えているかも知れませんがそれはちょっと違います。メンツにこだわるのではなく、メンツのバランスにこだわるのです。日本より優位に立っていたいのではなく、いつも対等でいたいのです。対等でいたいからこそ、傷つけられたプライドは早急に回復しようとするのです。」
うーん、ちょっとよく理解できないけど、というと、
「例えば小泉首相が南京虐殺記念館に参拝したらどうなると思います? 『日本の首相は中国にここまで礼を尽くしてくれたのに中国の指導者は日本に対して何もしないのか』って、中国政府に対して抗議行動が起きますよ。メンツのバランスとはそういう事です。そうなったら、いつの日か、中国の指導者も8月15日に首相と一緒に靖国に行くようになるかも知れませんね。」
もちろんこれは、一介の学生が言っているだけであって、中国政府の正式見解じゃありません。中国の世論でもありません。メンツのバランスという言葉には説得力があったものの、それを中国政府が実現するには、この学生が指導者になるくらいの年月が必要かも知れません。でも、過去を忘れないまま変わっていこうとする姿勢には強い希望が感じられました。
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これまでに寄せられたコメント
<<金華山に三年続けてお詣りすれば一生お金に不自由しないと言われています>>
リンク先に跳んだらいきなり目についた魅力的なフレーズ。
しかしながら、そこに行くまでのお金に不自由しとります。
ところで・・・
>オフ会でこんな話は誰も聞きたくないでしょうし、知り合いに話しても面倒な奴と思われておしまいなので・・・
年を重ねるごとに面倒な話から離れたくなるOkyomeですが、先日息子が持参した かのDS。なんと挑戦したら「あははは、85才かよ、もいっかいやろ」・・・
で、再度挑戦の結果、39歳でした。俄かには信じ固い結果、機械判定の信憑性をうたがっていますが、息子いわく、二度の挑戦でいくらかでも学習能力が高められたっちゅうことじゃん、日々の努力怠らざるべし、といったことをふと思い出しておりました。
だからというわけではありませんが、珍しく面倒な話に喰らいついてしまいました。
さて、食べ物でも人でも食わず嫌いというのはあまり関心したものではありません。何でも勇気をだして喰らいついてみれば案外違った展開も期待できるのかもしれませんね。
我が家では、小泉さんが映るとチャンネルを切り替えてしまう極端な食わず嫌いがいるため、案外美味しいかもしれない話題が展開しません。
所詮おろかな一国民ゆえにメデイアの功罪によって踊らされることしか知りません。
Tibさんのように伝わらない生の意見を聞けるチャンスも知力も無いので、こういう話を知ると救われる気がします。、
しかしながら、tibさんレベルの話題についていくには後10年は修行積まねばなりません。といっても10年先はボケの境地、生息さえも覚束ないかもしれませんね。
そんなことをいつも思いながら、tibさんの真面目且つこの重い(^^)ネタを感心しながら私なりに消化しております。「脱・騙され続けるあほ国民」めざして、勉強さしていただきます。
By okyome : 2006年08月18日 13:26
うん、おきょめさんの言うとおりですよね。
私もこの手の話題は「食わず嫌いな」ところがあるので
正直言ってコメントも出来ない状態でした。
でも、ずっと目を背けつづけてはいけないんですよね。
私も勉強していかないとなぁ。
でも、私は「10年どころか、20〜30年」修行を積まないといけないような
気がします。。。あぁ…ほんとに頭が悪いんだ、自分…すまない。
☆高校野球ですが、普段は興味がないので見ないんですが
昨日、お昼にたまたま会社のみんなで見ていました。
「8回裏の4点」に鳥肌がたってしまいました。
負けた高校の子もよくがんばりました。
ひとりずつ「はぐ」して頭なでなでして誉めてあげたいと思いました。
私的には「自分の住んでいるところの代表校」と、「自分の田舎の代表校」と
両方残っているのが感動的です…。。。
この2校の決勝戦だったらみるかも(^-^)
By きむ*にょんにょん : 2006年08月19日 11:21
おきょめさん:
> <<金華山に三年続けてお詣りすれば一生お金に不自由しないと言われています>>
そうらしいんですよ。私も金華山にいる間、ず〜っといろんな人にそう聞かされました。でも3年続けて...って、年1回を3年連続? 毎日を3年連続? 年1回なら、地元の方々は有利ですよねぇ。
> tibさんの真面目且つこの重い(^^)ネタを感心しながら私なりに消化しております。
脳年齢39歳ならおきょめさんなりの消化はもちろん、新しい提案も難しい事ではないのでは?
きむ*にょんにょんさん:
> 私もこの手の話題は「食わず嫌いな」ところがあるので
> 正直言ってコメントも出来ない状態でした。
臭い物に蓋をし続けてきた日本と、主張をエスカレートさせてきた中国。もはや私達には何が本当で何が誇張なのか解らないくらい、戦争は遠い存在になっています。一方、中国の人達もジェネレーションギャップと情報隔離のせいで、第二次世界大戦はおろか天安門事件(1989)さえ知らない若者が増えています。共同研究に基づいて共通の歴史教科書を作ろうという話もあったようですが、どうなるんでしょうね。
> 負けた高校の子もよくがんばりました。
> ひとりずつ「はぐ」して頭なでなでして誉めてあげたいと思いました。
同感ですね。私なんかにhugされちゃ球児達もいい迷惑でしょうけど。
By tib : 2006年08月21日 15:42